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    一杯のコーヒーが寄添う物語

2014.12.01

よりみち、読書のすすめ。
一杯のコーヒーが寄添う物語

よりみち、読書のすすめ。<br />一杯のコーヒーが寄添う物語

くちぶえサンドイッチ
  • くちぶえサンドイッチ
  • 著者: 松浦弥太郎
  • 出版社: DAI-X出版
  • ISBN: 978-4-8/125-2400-8
コーヒーと恋愛
  • コーヒーと恋愛
  • 著者: 獅子文六
  • 出版社: ちくま文庫
  • ISBN: 978-4-480-43049-6
一杯のコーヒーが寄添う物語

最近、コーヒーという響きが好きです。
英語で『Coffee』と書くのもいいし、漢字で『珈琲』と書くのも、恰好いいと思う。
コーヒーと本は、とても相性がいい。もちろん、コーヒーを片手に…もいいけれど、今回は、美味しいコーヒーが出てくる本を2冊、ご紹介したいと思います。

コーヒーの話で、私が昔から大好きなのは、松浦弥太郎さんの『くちぶえサンドイッチ』に出てくる、エッセイのこんな1フレーズ。

「コンロからヤカンをはずし、コーヒー豆とフィルターをセットしたポットに湯気と一緒にお湯をゆっくりもくもくと注ぐ。豆がシフォンケーキのようにふくらむふくらむ。リビングにあのバークレーの香りが広がっていく。ここまでくると、窓の外も部屋も一旦は静かになる。時間を感じさせないこのひととき。」

朝起きて、奥さんが起きるまでの間、毎日訪れる1人きりの時間。
何気無い一コマだけど、コーヒーの香りが本から漂ってきそうなこのフレーズが、私は大好きです。
それに、弥太郎さんが選ぶ言葉はどれも、丁寧で、優しくて、上品。まるで波の立たない、広くて青い海を見ている様で、心がすうっと澄んでいくのです…。

実は最近まで、これが私の中で1番のコーヒーにまつわる1冊だったのだけれど、最近また、とても面白い本を見つけてしまいました。

それが、『コーヒーと恋愛』。

こんなタイトルを見ると、何だか女性目線の甘い恋愛小説の様に聞こえてしまいますが、そんなことはありません。
作者は、獅子文六という、昭和の隠れた名作家で、これがまた本当に面白いんです。
今回はあらすじをご紹介します。

「まだテレビが新しかった頃、お茶の間の人気女優 坂井モエ子43歳はコーヒーを淹れさせればピカイチ。そのコーヒーが縁で演劇に情熱を注ぐベンちゃんと仲睦まじい生活が続くはずが、突然生活革命を宣言し若い女優の元へ去ってしまう。悲観に暮れるモエ子はコーヒー愛好家の友人に相談・・・・・・ドタバタ劇が始まる。」

とにかくページをめくってもめくってもめくってもコーヒー、コーヒー、コーヒーです!
まだコーヒーが世間一般に広がっていない時代の空気を、しっかりと感じられました。
インスタントコーヒーの出現を苦言するコーヒー愛好家の心意気たるや、目を見張るものがあります。
日本人の凝り性はこうやって代々受け継がれていくのでしょうね。
一体今までに、一杯のコーヒーは、どれだけの人生に寄り添ってきたのだろう…?と、考えずにはいられませんでした。

寒い冬に、熱い熱いコーヒーとお気に入りの本を一冊、あなたは何を選びますか?

本コラム プロフィール画像
URBAN RESEARCH DOORS グランフロント大阪店 浦井
DOORS グランフロント大阪店スタッフの浦井です。
本が好きだといい続け、この度コラムを書かせて頂くことになりました。
世の中はネット社会で、タブレット一つあれば沢山の本を手に入れることもできますが、私がおすすめしたいのは、手に触れて、肌に馴染むような味のある本です。
あまり難しく考えず、あ、これいいな、と思ったものをつれづれと書いていこうと思います。
どうぞ宜しくお願いします。

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