私たちは日々、洋服作りをしています。
毎日の暮らしの中でしっくりと馴染むもの、長く使えるもの、彩りを添えてくれるもの、気分を高めてくれるもの。 落ち着いた色、鮮やかな色。それこそ色々ですが、そこにはDOORSとしてのこだわりをたくさん持ってひとつひとつのアイテムを生み出しています。
今回取り上げる「ラッセル編み」と「天竺編み」ボーダーカットソーもそのひとつ。総称して「バスクシャツ」と呼ばれたりしますね。ヨーロッパ発信の「セントジェームス」や「オーチバル」が有名です。
私たちがものを消費するのは日本。それならば私たちが生み出すものは日本で作るのが一番ではないかと考えました。なぜならば作られている現場を自分たちの目で確かめる事ができるから。そして日本にはそれだけの技術が残っているのです。その現場をつぶさに見つめるために岐阜へと車を走らせました。
ガシャン、ガシャン、ガシャン・・・。
濃尾平野の田園風景の中の古い工場から機織り機のような小気味よい音が聞こえてきます。 最初に訪れたのは「ラッセル編み」の編み工場。
ラッセル編みでは最初にタテ糸をできあがりの配色通りに巻き取るとこから始まります。巻き取られた糸はおよそ1,000本。 糸が巻き取られていく光景は圧巻、そしてとても美しくて思わず息を呑みます。 巻き取られたタテ糸が2本編み機にセットされ、編みの工程へ。 さっきのガシャンガシャンはこの工程の音。
ひと巻き1,000本のタテ糸が2本、つまりおよそ2,000本の糸が機会上部から垂らされ、一本一本針に掛けられていくのです。それも手作業で。 岐阜県の大垣市周辺は繊維の産地。この地で長年工場を続けてきた熟練した職人の手を持ってしても、糸をかけるだけでも1日を要するとても時間のかかる作業。 縦糸を巻き取るのに一日、糸をかけるのに一日、それだけ時間をかけて初めて編む事ができる。そして丈夫な生地ができあがる。
「これだけ時間をかけて作業しているから、急いで作ってほしいと言われても無理なんだよ。」とベテランの職人さんは笑いながら言います。 その表情の裏には良いものを生み出している長年の技術に裏打ちされた自信が見え隠れします。
続いて向かったのは「天竺編み」の工場。そこで見た風景は「ラッセル編み」のそれとは全く違うもの。
編み機上部に円の形に糸が60本配置され、筒状の生地がくるくるとゆっくり編まれていきます。
太めの糸を使用し、少しがっしりした作り。この糸の太さでヨレやゆがみを防いでくれます。ここでも糸の付け替えや、結び、仕上がりチェックなどは人の手を介して行われます。 良い素材には相応の手間と時間がかかっている。機械任せではない、人の手が入っている事を私たちは知っているはずなのに、時としてそれを忘れてしまいます。
私たちが今回の2つのアイテムを日本で作る事にした理由。 それは「もの」とみなさんとの間に立つ伝えての私たちが、ものが生み出される現場を知っていて、どんな人が作っているかを知っている事が重要だと考えたからです。 そこには作り手と伝え手の直接的な対話があり、私たちと皆さんとの間にも直接的な対話があります。
そして日本にはたくさんの伝えるべき技術があります。 すべてのアイテムで、というわけにはいきませんが、これからも「メイド・イン・ジャパン」というこだわりを忘れずにもの作りをしていきたいと思います。
マリンの定番とも言えるデザインは着易さと合わせ易さは抜群です。それぞれベテランの職人さんの手作業により生まれた、国産に拘ったアイテム。タグとワッペンの赤い丸は「メイド・イン・ジャパン」への気持ちの現れです。
(この記事は2010年に書かれたものを、再編集したものです。)
「ラッセル編み」
DOORS Panel Border / 5,985円(税込)
厳しい寒さも和らぎ、春らしさが感じられるこの季節には、 インディゴブルーを取り入れたコーディネートがよく似合います。DOORSオリジナル定番のジーンズはもちろんのこと、シャツも豊富にご用意致しました。